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2007年12月24日 (月)

別れ・沈黙・再会

先生とお別れしたとき、私は中学3年生でした。

先生の旦那様の転勤に伴なうものでしたが、塾に行き始め、バレエの回数も増えた中学生にピアノの練習時間はとれず、先陣を切ったのが私ではないことに正直ホッとしたものです。

秋に実家へ帰ったとき、手紙を書きました。先生のご住所はわからないのですがお稽古場が先生のご実家だったので、お母様を訪ねた次第。お母様はとても喜んでくださいました。

もう25年も前のことになります、先生にピアノを教わっていたけいこと申します。先生にお手紙を差し上げたいと思うようになってからずいぶんと時間が経ちました。でも、どこから何をお話してよいやら。

またピアノを習うようになって5年になります。先生がお引越をされたとき以来、20年経って弾き始めました。

これはお伝えすべき事ではないのですが、この少し前私は最初の子供を出産時に亡くしています。家にこもるようになってしばらくした頃、家に居てできることをしてみようとピアノを始めました。最初は現実から逃れる術でした。でもすぐに、ピアノを弾くということが自分自身と素直に向き合えること、私の感情を押し出してもいい、ピアノが有りのままを受け止めてくれることを知りました。また、今まで時間がなくて後回しにしていただけで、ずっとピアノを習いたかったことにも気づきました。

習う曲が変わるたびに、ストーリーを想像したりこっそり隠れたフレーズを発見したり、オーケストラの楽器に置き換えてみたり、この奏法あの曲のあの箇所に似てるかも‥とめくり直したり、楽しいことがあふれていて、あゝ 子供時代の私はどうしてこれができなかったのだろうと反省すること然り。先生には本当に申し訳なくて、過去の態度を謝りたいと願いつつ、思い出したくない生徒かもとも考えてみたり。

今の先生にお伝えしたことがあります。「私は子供時代に何を習ったのか、何も出来ずにピアノの前の時間を過ごしたように思うんです。」 「○○を習った、できるようになったと言い切るのはピアノでは難しいと思うの。でも、けいこさんは私がドビュッシーやショパンやベートーヴェンの作品を弾いて欲しいと願う技量をもっているし (← 程度は別!にして ^^;) 20年経っててももう一度ピアノが弾きたい。 これを与えてくださったのが子供時代の先生で、けいこさんはそれを "習ってる" と思うのよ。」
これからも弾いてね、と何か許されたような温かい気持ちになりました。

先週から実家へ来ています。週末に2歳を迎える双子男児たちに邪魔されながらの新曲譜読みはまるではかどらず‥ 余裕0のままお稽古日となりそうです。「それじゃぁ、昔と変わらないじゃないの!?」ですね。

木枯らし一号だとか。どうぞお身体をお大事にお過ごしくださいませ。

手元の下書きとはだいぶ違えて書きましたが、だいたいこんな文面。

そして、神戸へ戻ってすぐ、嬉しいお返事が届きました。私からの便りがどんなに嬉しかったか、私の経緯を思いやってくださり、その昔どのような気持ちでレッスンをしていたか、今はどうピアノと向かい合ってるか(現在も先生をなさってます)、などが綴られ、子供たちとの散歩から戻ったばかりの冷えた体を温めるには十分すぎるぐらいでした。

以来、何度かメールでやりとりをしています。

子供時代に別れ、長~い沈黙を経て、実際にお目にかかったわけではありませんが再会☆。

一足早いクリスマスプレゼントとなりました。皆様にもメリークリスマス。

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コメント

けいこさん、こんばんは。

先生へのお手紙、けいこさんの思いがいっぱい詰まっていますね。
先生もさぞかしお喜びになった事でしょう。

私まで心の中が温かくなりました。

投稿: ayayan | 2007年12月26日 (水) 18時46分

素晴らしいお話に、私も胸が熱くなりました。
けいこさんのような生徒を持った先生は、教師冥利に尽きると言っても過言でないはず。
長い空白期間があっても、先生の教えは、けいこさんの心にしっかり届いていたんですね。
何だかこちらまで「希望」を頂きました。
ありがとうございました!

投稿: りった | 2007年12月28日 (金) 23時35分

ayayanさん、こんばんは。
手紙を書くのはかなり勇気がいったんです。特別な用事(同期会とか)があるわけでもないし、そもそもロクでもない生徒だったわけで、今更何?かしら~って。
でも時間というのはありがたいもので、先生はただただ喜んでくださって、書いてよかった!と思いました。

こんなとこでなんですが‥
今年1年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

投稿: けいこ | 2007年12月29日 (土) 00時06分

りったちゃん、こんばんは。
お稽古に通うのは嫌いだったんです。ちっとも練習しなかったから、あぁまた怒られる‥って。でも、止めたいと思った覚えはないので、弾くのはきっと好きだったんでしょうね。←だったら練習しろよ~と大人は言うでしょうが(笑)

お稽古事の先生は、10年20年とつきあう生徒もいて、子供にとっては親のような存在でもありますね。でも、親とは違う視点で見てくれているのだろうな、と大人になって知りました。

投稿: けいこ | 2007年12月29日 (土) 00時14分

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